[戦略的うんこ人生論] 100%の受容を求め、どうしても「わかってほしい」のか。

人生を変えたい

「半年経ったら自己破産のこと言おうと思ってるっす」

「ちっげーよテメぇ~!ちっげーよ!」


「えぇ?」

「ちっげーよテメぇ~!まだ早ぇーよ!!」




仮に田島君とでもしておきましょうか。

僕と田島君は、東京は中野駅周辺の「戦後のどさくさエリア」の一角にある、雑居ビルの一室に静かに店を構えるちょっとオシャレで店員さんがちょっと挙動不審なバーで、ウイスキーを片手に恋バナに花を咲かせていた。



僕は、恋バナが好きだ。

大好きだ。

恋が一番、おもしろい。

恋した~い!恋した~い!

アンジェラ・アキはどこへ行ったのだろう。




「でも早川さん、どうせいずれはバレちゃうんだから、早めに言っといたほうがよくないですか?」

「ちっげ~よテメぇ~!ちっげ~よ!」



田島君は昨年、株式投資と不動産投資に失敗して5000万円の借金をこしらえ、そして踏み倒した。

債務整理、要するに自己破産だ。



20代にして自己破産。

なかなかワイルドで面白い人生だ。




田島君には、会うたびに新しい彼女が出来ている。

恋愛には積極的だ。

見た目はきゃしゃで大人しいヤツだが、中身は獰猛なアニマルだ。

アニマル浜口だ。

「アニマル浜口」。ネタが古すぎてわからなければスルーしてほしい。




とにかく、そんな田島君だ。

先日中野の戦後のどさくさ繁華街のバーのカウンターで、彼がクリスマス直前に滑り込みセーフでゲットした新しい年上の彼女との未来について、僕らは議論に花を咲かせていたのだ。



田島君は言う。

毎度毎度、3ヵ月で彼女にフラれてしまう。


でも今回は!

今回こそは!

1年以上続く気がする、と。




性格が合うらしい。

今回の彼女には年上の余裕があるらしい。

田島君の数多い趣味に、彼女は興味を持って自分もやってみたいと言ってくるらしい。




いいじゃない!

素敵じゃない!

恋って、最高じゃない!


僕はそう言った。





しかし田島君には過去にこしらえた人生の闇がある。

自己破産。




僕のような人間からすれば、それって「面白い愉快な経験」だ。

そんな経験を持つ田島君は「面白い愉快な生き方をしてるヤツ」だ。




僕のデタラメな過去を知る田島君もまた、僕を「ヘンテコで面白い人生を送るヤツ」だと思っているのだろう。

だから僕らは今も友達でいるのだろう。




さて、問題は自己破産。これをいつ彼女に告げるべきか、だ。



田島君は言う。

どうせバレてしまうのだから、早めに打ち明けるべきだ、と。



しかし僕は言う。

2年間黙っていろ、と。

田島君の考え方のほうが「正しい」と思う。

でもあまり「戦略的」でない、と。




「なんでですか?だってちゃんと僕の過去を知って、ちゃんと受け入れてもらいたいし。自分から言わないで相手にバレちゃったらマズいし。」

「半年くらいしたら二人で新しいマンション契約して同棲したいし。僕はローン組めないし、保証会社と契約できないし。そしたらバレちゃうじゃん。」

「だったら早めに伝えておいたほうがいいじゃん。」




ちっげ~よテメぇ~!ちっげ~よ!


田島君、いいか、僕はこう思うんだ。



もちろん人によるだろう。

相手にもよるし、二人の間のケミストリーにもよるだろう。

でもごくごく一般的に考えてみて、おそらく結婚も視野に入れて男と付き合ってる女だ。

彼女はおそらく今後のことも考えているお年頃だ。

そんなお年頃の一般的な女性が、出会ってまだ数か月の男に「自己破産」を告げられて、どう感じるだろう?どう思うだろう?何を考えるだろう?




俺がその子だったら、


「うっひょ~!ハズれくじ引いちまった!こりゃあ今すぐ別れよう!」

「うっほ~!こいつヤベー!ヤベー男だ!!」


そう思う。




どう?これってごくごく一般的に考えてみるとそうじゃない?




田島くんは言う。

「まあ確かに、、、でもさあ、僕はそういうこともちゃんと受け入れてくれる相手と付き合いたいし、、自分でもなんかスッキリしないし、、、」



ちっげ~よテメぇ~!ちっげ~よ!



お互いのいいところも悪いところも受け入れあう。田島君、そう。それが愛だ!愛って最高だよ!たまんねぇ~よ!



とは言え田島君。じゃあこんなのはどうよ?




田島君に新しい彼女ができました。

ごくごく一般的な彼女だと思い、付き合い始めました。

2か月経ち、突如彼女は「バツイチ、幼児2名あり」という経歴を打ち明けてきました。



田島君なら、どうする?

「ああそうですか」ってすぐに受け入れられる?

それともビビる?

別れちゃおっかなーって考える?




田島君は言う。



「う~ん、、でも~子供いたら最初からわかるじゃないですか~」




ちっげ~よテメぇ~!ちっげ~よ!

知らなかったと仮定しろよ!

そんで2、3ヵ月経ってから突然告げられた、と仮定して想像してみてよ!





「う~ん、、だとすると僕にはちょっとムズいかもしんないっす、、、」

「そんな養う金なんてないし、、他にも女の子なんてたくさんいるし、、、」




でしょ~?

浅野温子的に言えば、

だしょ~?





田島君は言う。

「なんですか?それ?だしょ~って?」

すまん、おれはネタが古いんだ。

そんなことはどうでもいい。




今は田島君、あんたの問題だ。

田島君、想像してみてよ。


今の彼女とうまくいって、2年付き合います。

2年も一緒にいるとどうなる?



田島君がうんこをした直後に彼女が便所を使うことも出てくる。

彼女がうんこをした直後に田島君が同じ便器でおしっこすることも出てくる。


2年も一緒にいれば、一緒にいる時にまちがってオナラしちゃうこともある。

まちがってオナラをしているうちに、まちがってオナラをすることに慣れていって、

彼女の前で平然とオナラをするおっさんに、田島君がなっている。




彼女ももちろん、田島君の前で平然と、堂々と、オナラをしている。



2年も一緒にいれば、そんな細かいことどうでもよくなる。

気持ちの中心は恋から愛に移行する。



一緒にいるのがデフォルトになる。

デフォルトになって、一緒にいることが当たり前。

愛があるからこれからも一緒にいたい。


最高でしょ?




田島君「うん、確かにそれって最高だね。オナラはしてほしくないけど、、、」




でも2年もいるんだから、つまり700日以上だ。

700日も一緒に過ごせば、屁の1,2本、かますだろ?

それが人間ってものだろ?

愛があればオナラも超えられるだろ?

愛はオナラやうんこを超えるだろ?



違うか、田島君?

俺は、間違っているのか?





田島君「まあ言い方は汚らしいけど、、でも確かにそんな関係っていいっすね。僕いつも3ヵ月でフラれちゃうし。そんな経験もしてみたいっす。」




だろ!!

そうだろ田島君!!!

じゃあここで問題です。




お互いのうんこもオナラもデフォルトになり、一緒に生きていることがデフォルトになった今、「いや実はおれさぁ~」と自己破産を打ち明ける。


どうだ?

すぐに別れられるか???

それともちょっと別れにくいか??


2年間一緒に過ごし、一緒にオナラやうんこや、自分のちょっと綺麗でない部分もちょっとずつ見せ合って、でもそれも受け入れて愛をはぐくんできた。お互いの汚い部分への理解と受容も増してきた。


そんな2年経った彼女に、田島君を簡単にフルことはできるのか?

たかだか自己破産くらいで、2年の月日を無駄なものにしたいと思うのか?





田島君「たしかに。そんくらい時間経っても一緒にいられるなら、そうかもしんないっす。」




でしょ~?

浅野温子風に言えば、

だしょ~?




田島君「よしっ!おれ自己破産、言わないでおくっす!」

「あ~なんかスッキリした~」





田島君、成功を祈る。

愛をはぐくんでくれ。






と、最近そんな恋バナに花を咲かせる二人だった。

あなたは、どう思いますか?

どう考えますか?




田島君のほうが正しい、と僕も思う。

でも田島君は戦略的でない、とも思う。




一応差別や人権無視だと誤解を生まないように言っておくと、僕は相手がバツイチだろうが子供がいようが、まったく関係ない。

「面白い」と興味を持つ。



人生何十年か生きていれば、大なり小なりミスをしでかす。

人に言いたくない経験だって、それなりに経験する。

人に言わないほうがうまく生きていける、そんなことだってある。




ミスをミスだとは思わずに「面白い経験」と感じる人もいるけど、一般的には「アブねぇ」「えっ??」と思うヤツの方が多い。




自分のことをわかってほしい。

全てを受け入れてほしい。



そんな気持ちも確かにある。

恋愛するならそうかもしれない。




僕は、女子高生がパンツを売って、女子高生が3万円でおっさんとセックスをする。

そんなことが「当たり前」だった世代の人間だ。



援助交際が大ブームだった時代に、僕は高校生だった。

当時の彼女の友達には、パンツを売り、おっさんとセックスをしていた人もいた。



日本中の女子高生全員が、パンツを売り、おっさんと3万円でセックスをしていたという前提で、僕は生きている。

もちろん全員ではないけど、でもそれがある意味「デフォルト」だと認識することで、別に彼女が過去パンツを売っていたとしてもなんとも思わない。



「面白い」と感じ興味は持つ。

「当たり前」として受容できる。


でも「当たり前」だと思わない人も確かにいる。

「そんな過去がある女なんて、サイテーだ!」と思う人もいる。



であれば、たぶんその過去は秘密にしておいた方がいい。

もうちょっと戦略的に生きた方が、結果として楽に生きられる。



自分の全てを受容してほしい。

そんな気持ちって大切だ。


自分の全てを受容してくれる人に出会えれば、それは最高だ。

でもそういう人に出会わないのであれば、やっぱり戦略的であったほうがきっと良い。




戦略的に生きる。

男は女より、それが苦手だ。



女はパンツを売った過去を墓場まで持っていける人も多い。

男はついうっかり「受け入れてよ~」と甘えてしまう。




男はついうっかり、奥さんの前で屁をこいてしまう。




「それが俺だから!」

「受け入れてよ~」

と甘えてしまう。





ちっげーよテメぇ~!ちっげーよ!



それが「正しいこと」なのかどうか、僕は知らない。

戦略的に生きること。

それが「結果的により良い人生」につながるのであれば、僕はそっちの方が良いと思う。




うんこも破産も使いよう。

ある種の効果を期待して、戦略的に「うんこ」と言う。

そんな人生も、なかなか楽しいんじゃないか。




僕はそう思う。

あなたは、どう思いますか?




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