[孤独な僕は人類求めて] 第2回 「バイク屋の店員なる人類との遭遇。その先に。」

孤独脱出記 [人類求めて]

「キタ――(゚∀゚)――!!」

「うっひょー!かぁ~くいいぃ~!!!」



トコっ、トコっ、トコっ、トコっ、、、


店の奥の方で、一人でブツブツと叫ぶ僕を不振がってか、店員のおっさんが僕の方へ向かってきた。



おっさん「なにかお探しですか~?」

僕「はっ、はいっ!じっ、人類を!!人類をお探しですっ!!」

おっさん:スルー

僕「いっ、いやあのー。バっ、バイクを探してます!!」


そりゃあそうだろう。ここはバイク屋だ。バイクしか置いてない。



おっさん「どんなのをお探しなんですか~?」

僕「いっ、いやぁあの~。250ccでどんなのがあるのか見てみたいな~と思いまして。」

おっさん「だと、このへんですね~。あっ、これとこれはまだ買い取ったばかりなんで値札ついてないんですけどね~。」

僕「あっ、ああそうなんですね!いやあいいですねー!僕もこんなの乗ってみたいなぁ!!!」



おっさん「免許は普通ですか大型ですか~?」

僕「あっ、申し遅れました。ワタクシ免許無いです。」

 「吾輩はバイカーである。免許はまだ無い。」





おっさんは、音もなく去っていった。


せっかく遭遇した人類は、去って行っていまった。

さよならも言わずに、去って行ってしまった。




おっさんよ!!

オッサンアナタナンタルブレイモノ!

そんな人類、こちらの方からお断りだ!


免許で俺を差別するな!

免許持ってるやつだけが人類だと思うな!

俺も人類だ!

俺は、バイク王になる男だ!!!




としばし自分で自分に吠えたてた後、僕はおっさんのことは無視して残りのバイクをひとしきり見て回り、そそくさと店を後にした。



ふっ、将来の大口顧客を取り逃がしたな、おっさんよ。

おっさんよ、あんたまったくわかってねーぜ。

おれのこの強大に肥大したバイク購買欲求を!!



いいもんいいもん!俺もうすぐ免許取りいくんだもん!

おっさんなんて友達になってあげないもん!!




僕は、人を選ぶタチだ。

付き合いたい人類とのみ付き合う。



例え今現在は孤独であるからといって、付き合ってもクソつまらん人類と無理に付き合ってお茶を濁していても僕の孤独が消えることはない。

お茶を濁し傷を舐め合っていても何も変わらない。



僕は「いい人類」と「いい仲間」になり、共に同じミッションを持って歩みたい。

おっさんは、僕にとってはいい人類ではなく、おっさんにとって僕はいい人類ではなかった。

それだけのことだ。




店を出た僕は、入口のドアの前でそう自分で自分に言い諭し、「免許差別」はスッキリと便所の水に流し、二軒目のお店に向かい、愛車である自転車をこいだ。



30分ほどペダルをこいだだろうか。

「あれっ?ここらへんだったはずなんだけど・・・」


なにせ目の前にバイク屋があってもそこにバイク屋があるとさえ気づかないような人生を送ってきた。

バイク屋がどこにあるのかなんて、僕は知らない。



巨大な幹線道路をひた走っていた自転車の進みをいったん止めて、

サポート切れでOS更新の出来ない僕のiPhone6をおもむろに取り出し、僕はグーグルマップを開く。



「やってもうた・・・」



僕は、全然違う場所にたどり着いていた。

なにせバイク屋に行くなんて人生初めてのことだ。



「やってもうた」は何個もあるだろうし、あっていい。


そう自分に言い聞かせながら、来た道をだいぶ前まで引き返し、交差点で左に折れ、そして15分ほどペダルをこぎ続けただろうか。



「あれだっ!」

店の看板が見えてきた。



後はこの横断歩道を渡ればお店に着く。

赤信号を待つ間、道路の反対側にある店の中を覗いてみる。




うおおぉ!こっこれはっ!!

ちっ!ちいせえ・・・



バイクは10台くらい入口近くに置いてあるだけで、奥では店員さん数名が修理バイクの調整をしている。

なんとも言えない「一見さん入りづらっ!」感。




「俺はバイクに乗り、バイク仲間を作り、バイクで仲間と旅をしてブーンと走って喜びわっはっはと楽しい時間を過ごす男なのだ。」

「バイク王に、俺はなる!!」



そう自分で自分に言い諭していると、信号は青に変わった。

とりあえず、店の横の路地に自転車を止める。

入口へ行き、中を覗く。

客はいない。

店員さん5名。



うっほ~!入りづれぇ~!




そう自分の心が言い終わる前に、先に体を入口の自動ドアの前まで動かし、むんずと仁王立ちをする。



にぃ~

自動ドアは、自動なので、勝手に開く。

開いてしまったので、僕は中に入るしかなくなる。

中に入るしかなくなってしまったので、とりあえず中まで足を進める。



店の奥から僕を眺める店員さん5名。

一応念のため会釈して小さな声で「あっ、どうも~」と言う僕。




僕はバイク王になる男なので、とりあえず店員さんは気にせず、入口付近に10台だけ並べられた新品バイクを見る。




うっひょー!かあっこいいーー!!


38歳。

バイク初心者。

免許はまだない。




「俺は、果たしてこんなこじんまりとしたオタッキーなバイク屋に、客など誰も来るはずのない平日の真昼間に、一人たたずんでいていいのだろうか?」

ふと、そんな不安とも自信の無さとも場違い感ともいえるような思いが頭と心をよぎる。



バイク王に、俺はなる!!


もう一人の自分がそう宣言する。

そうか。じゃあいいのか。

じゃっ、遠慮なく~( *´艸`)




あらためて10台のバイクを眺める。


これが雑誌で見ていたヤツだ。

やっぱり生だと全然カッコイイ。

雑誌でもよかったけど、生の方が全然リアルで立体的だ。



当たり前だ。生は100%リアルだから生なのだ。

当たり前だ。平面しかない写真には立体は無い。



そう自分で自分にボケとツッコミとお説教を説いていると、




トコっ、トコっ、トコっ、トコっ、

「こんにちはぁ~!」


イケメンの若い店員さんが愛想よくやってきた。

流石はブランド直営店。

どこぞのおっさんとは頭っから接客が違う。





僕「あっ、どうも~。」

イケメン「これいいですよね~?」

僕「いいです!めっちゃ、いいです!結婚すら考えてしまう昨今です!!」



イケメン「ですよね~!あっ?じゃあちょっと乗ってみます?」

僕「えっ!いいのっ!?いいのーーー!!!じゃあ是非!」

イケメン「じゃあ今ちょっと前に出しますね~!」



僕「はぁはぁ(*´Д`) (*´Д`)ハァハァ」



イケメン「はいっ、じゃあどうぞまたがってみてください!」

僕「(*´Д`)ハァハァ おっ!お邪魔します!(*´Д`)ハァハァ」

イケメン「エンジンもかけてみますねー!」

僕「(*´Д`)ハァハァ えっ!いいの!マジで!マジメにマジで!!」



バイク「ブルルン~っ!ブルル~ンッ!!」



僕「(*´Д`)ハァハァ こっ、これはっ、、(*´Д`)ハァハァ こっ、これが「鼓動感」ってやつですね!!」

イケメン「ですねっ!どうですかー?」

僕「(*´Д`)ハァハァ あっ、もう僕っ、最高っす!僕、ホントもう、バイク王っす(*´Д`)ハァハァ」




とまあこんな塩梅でイケメンの洗練された接客テクニックの上では、僕はもうメロメロになる以外選択肢は無かった。




僕「(*´Д`)ハァハァ いっ、イケメンのお兄さん!実は僕、これから免許取りに行こうと思ってるっす!僕もお兄さんみたいになりたいっす!師匠と呼ばせてくださいっす!」




そして24歳のイケメンは僕の師匠となり、師匠は親切にあれこれなんでも教えてくれた。


250ccと320ccの違い。

ヘルメットの種類と値段。

ブーツやグローブやジャケットについて。

ETCの取り付けやスマホ取り付け装置について。


近所の教習所、教習にかかる時間。

バイクの教習では公道は走らないということ。

バイクは免許取ってから初めて一人で行動を走るのだということ。




そんなん知らなかった。

考えもしなかった。

イケメンは、僕の師匠だった。

イケメンは、いい人類だった。




もちろん、イケメンは仕事で営業しているのはそうだ。

でもどうせ買うならこんなイケメンから買いたい。

変なおっさんからは買いたくない。




こんだけされると今乗ったこれをこの店でこのイケメンから買いたくなる。



イケメンよ、ありがとう。

半角にしちゃって、ごめん。




実際にバイクを購入して、バイク乗りになる。

なった後に出会うバイカーにも、おっさんのような人類もいればイケメンのような人類もいるだろう。

今後のバイク仲間として、今日のイケメンのような仲間が出来たら面白い。



僕はイケメン的なる人類からバイクについてたくさん学び、

そして僕はイケメン的なる人にビールをおごる。



そんなのもなかなか楽しそうだ。

そういうのもなんだかよさげだ。




イケメンとは、結局30分近く話していた。

孤独な日々を送る僕の10週間分の会話時間だ。




今週の人類は、もうこれでお腹いっぱいだ。

今週の孤独感は、ひとまずこれでもう感じずに済む。




今日は思い切って入りづらい店に入り、良い人類に出会えた。

免許は春に取ろうと思っていたけど、もう今月取ってしまおうかとも思うようになった。




自分の頭の中での妄想を、一回リアルで体験してみる。

そこから得られる情報や情動、ヒント、出会い。

そんなのが一番大切だったりする。




妄想してても何も変わらない。

ちょっと動くと次が見えてくる。

そんないい一日だった。



人類求めて。

僕の孤独からの脱出作戦に、少しだけリアルが見えてきた。



孤独脱出記 [人類求めて]
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